ボルチモアの証券会社

ある日、あなたのところにボルチモアの証券会社から一通のメールが届く。
そこには、ある会社の週末の株価の予想が書かれており、値上がりすると予想されている。
気にも止めていなかったが、週末になってみると予想通り、株は値上がりしていた。
まあ、偶然だろうと思っていたが、またメールが届き、今度は値下がりすると予想されていた。
週末に調べると確かに株は下がっていた。
次の週も、その次の週もメールが届き、予想は見事的中していった。
そうしたことが10週も続いた後に、ボルチモアの証券会社から、株式投資をしないかという勧誘のメールが来た。
あなたは10週も連続して予想が当たる確率は1/2×1/2×・・・・=1/1024しかないことを確認し、偶然ではありえないと考え、投資をすることにした。

 

ボルチモアの証券会社は、どうして10回も連続して株価を当てることができたのか。
実は、ボルチモアの証券会社は10,240人にメールを送っていた。
半分には株が値上がりすると予言し、残りの半分には株が値下がりすると書いて送っていた。

翌週、予言が当たらなかった5,012人にはもうメールを送らず、当たった5,012人に同じようにメールを送った。
10週続けると連続して当たったことになる10名が残った。
そのうちの一人があなただったわけである。